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「村島順 展」、終了しました。

火曜日, 10月 20th, 2015

昨日で「村島順 展」は終了いたしました。

常設でのご紹介が思うようにできなかった村島さんの作品でしたが、
こうしてまとめてご覧頂くことができ、たくさんのお客様にお渡しすることができ、
とても嬉しく思います。

村島さんは在店がとても楽しかった、もう少し居たかった、と話してくれました。
ご来店くださいましたお客様のおかげです。心から御礼申し上げます。

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村島さんの窯

当ブログで何度か綴ってきましたとおり、不運な怪我と窯の不調が続いてしまったため、
村島さんの仕事にはブランクがありました。

その間、お取り引きがあったお店が閉められたり、個展の依頼が来なくなったり…
状況が変わってしまったそうです。

ただ村島さんの仕事はすっかり元に戻っています。今回の個展で心からそう思いました。
何よりご本人がお元気でやる気満々です。

もし当ブログを見てご興味をお持ちになられたお店の方がいらっしゃいましたら、
新規でも以前にお取引があったお店の方でも、ぜひ村島さんにご連絡ください。

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今回出品の品々。もうしばらく当店にいます。

それから昨日、村島さんとお電話でお話しした際、
今回お送りいただいた作品から何点かを、引き続き当店でお預かりさせて頂けることになりました。

本展にはかなりの点数ご用意してくださっており、良いのがまだ残っているのです。
すぐにお返しするのが名残惜しく、引き続き当店でご紹介させて頂けないかご相談したところ、
ご快諾頂きました。

店頭だけでなく、オンラインショップでも来月中にはご紹介できるよう準備して参ります。
どうぞご期待くださいませ。

次は12月の上旬、出雲民藝館での「古道具の会」です。
会期がまだ決定していないので正式なアナウンスができかねますが、必ず開催いたします。
出品物・出品者に関してもこれから詳細が決定します。続報をお待ち頂けますと幸いです。

どうぞよろしくお願いいたします。

「村島順 展」から、取り合わせ

土曜日, 10月 17th, 2015

会期中にお客様とお話ししていて、焼締めの陶器には馴染みがない、
だから手持ちの器と村島さんの作品との相性、取り合わせた時にどうなるかがイメージできない、
という方が多いと感じました。

当店で扱っている焼締めの陶器は村島さんの急須しかありませんし、
これまで常設でのご紹介もわずかな数でしたので仕方がないことです。

ただ拙宅では他の作り手さんの湯呑と村島さんの急須、特別に意識せずに使っています。
お客様にどんな感じか並べてお見せしたら「あ、意外と合うんですね。」というお声を何度も頂けましたし、
躊躇していたけれどそれを見て安心してお求めくださったお客様もいらっしゃいました。

事例としていくつかご紹介させて頂きます。

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叩き急須(11)と古伊万里の猪口 ※急須,ご売約御礼

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左手急須と森山窯の筒描湯呑 ※湯呑は私物

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土瓶(3)と前野直史さんのslipware湯呑み ※湯呑は私物

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土瓶(13)と平山元康さんの幕掛湯呑み

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アラジン急須(7)と湯町窯の切立湯呑み ※急須、商談中

いかがでしょうか。すこしでもイメージをお伝えできましたら幸いです。

お茶が入ってなくてすみません。
それからそれは合ってないな、とお感じになる組み合わせもあるかもしれませんが、
拙宅での事例みたいなものですからどうかご容赦ください。

さて「村島順 展」、会期は残すところあと2日となりました。

お問い合わせへの対応はすでに開始いたしております。
気になる作品が御座いましたら、どうぞお気軽にご連絡ください。

よろしくお願いいたします。

「村島順 展」から、窯変

金曜日, 10月 16th, 2015

村島さんは釉薬を使わず、焼締めで作品を作ります。
直接的な装飾は彫って模様を入れたり、叩いて形を変形させたりして施されていますが、
作品の印象は焼成時に窯の中を舞う灰が降りかかって生じる窯変に大きく左右されます。

本展に並んでいる作品も、灰が厚く被ったり被らなかったり、
土の中の鉄分が反応してキラキラ輝いたり、とにかく色々な表情を見せてくれます。

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宝瓶(20) ※ご売約御礼

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土瓶(13)

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土瓶(3)

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徳利(17)

こちらはなぜか塩釉のような上がりです。
村島さんは窯出しの時この徳利を見て薪に外材が混ざっていたのではと心配したそうですが、
この1点だけがこんな焼き上がりだったそうです。

「35年やってきたけどいまだに分からないことだらけだよ。」とぼやいておられました。

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急須(49)

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土瓶(13)

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ポット(53)

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宝瓶(62)

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蔓付き酒器(14)

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切立急須(30)

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共手花入

隣り合ったものが焼成中に動いて引っ付いてしまわないよう、
窯入れの時、焼成後に剥がせる土で隣り合うものをあらかじめ付ておくのだそうです。

蔓付き酒器(14)と切立急須(30)、共手花入に見られるのはその跡です。
その跡の付き方、表情も実に様々です。

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土瓶(90) ※ご売約御礼

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湯冷まし(91) ※ご売約御礼

土瓶の蓋と湯冷ましの内側に現れた氷の結晶のような模様が稀に見られます。
これは窯の棚板の裏側にこびり付いていた、前回の窯焚きの時の灰の塊が落ちてできるそうです。

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村島さんの窯。すべて同じ土、同じ薪を使い、ここで焼かれています。

1300度ほどの温度を4日間、薪の炎でキープして焚き続けます。
その間、窯の中では村島さんの制御を離れあらゆる現象が起き、作品に働きかけます。

半分以上を窯に委ねた仕事、と言っても過言ではありません。
厳つい風貌の村島さんも、窯焚きは毎回緊張すると仰います。

窯に火を入れたらもう祈るしかありません。
日々の道具をこうした形で作り続け、届けてくださることに感謝の気持ちを新たにしました。

とはいえ大事にし過ぎずに、日々ガンガン使ってください。
新品でもものすごい味わいですが、使えば使うほどさらに増していきます。

「村島順 展」、会期は残すところあと3日となりました。
この機会にぜひお確かめください。

「村島順 展」から、酒器

木曜日, 10月 15th, 2015

村島さんの製作のほとんどは急須類ですが酒器も作られます。
酒器の評判がいい作り手さんはたいがいよく呑む方なのですが、村島さんはあまり呑まれません。
それでも呑兵衛の皆さまにたいへんご好評頂いております。

4日間にわたる窯焚き、その時に降りかかる薪の灰がもたらす景色や造形の面白さだけでなく、
急須やポットなどと同じく使い勝手への気配りがされているからでしょうか。

ざっとご紹介いたします。

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蔓付き酒器(14) 11.5cm×10.6cm、高11cm(胴体のみ)

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蓋止め酒器(9) 16.3cm×10.9cm、高9.6cm(蓋は含みません)

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徳利 左から、(68) 径8cm高11.8cm ※ご売約御礼 (67)径8.3cm高12.4cm

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口付徳利(29) 9cm×7.7cm、高13.2cm

どれもけっこうな量が入ります。ご使用の際はどうぞお気を付けください。
ちなみに今日ご紹介の酒器だけでなく、急須やポットなどもすぐに容量をお調べできます。
どうぞお気軽にお問い合わせください。

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ぐい呑み 左から径7.5cm高4cm、径6.6cm高4.5cm、径7.2cm高4.8cm ※すべてご売約御礼

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ぐい呑みの内側

酒器をまとめてご紹介できるのは作品展ならではです。
気に入って頂けるものが御座いましたら是非この機会をご活用ください。

どうぞよろしくお願いいたします。

「村島順 展」から、ポット・宝瓶・湯冷まし

火曜日, 10月 13th, 2015

・ポット

急須は右利き用のものが多い(昨日最後にご紹介の急須は本展唯一の左利き用)ですが、
ポット型は利き腕に関係なくお使い頂けますし、紅茶にも煎茶にも違和感なくお使い頂けるからか、
最近は急須よりもお求めになられるお客様が多いようです。

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アラジン急須(7) 14.3cm×10cm、高7.8cm(蓋・把手は含まず) ※ご売約御礼

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アラジン急須(47) 14.8cm×10cm、高7.2cm(蓋・把手は含まず)

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後手急須(小) 12.8cm×8.8cm、高8.8cm(蓋・把手は含まず)

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定番後手急須 16cm×10cm、高9.5cm(蓋・把手は含まず)

急須類の蓋を落として壊してしまっても土瓶の蔓と同様に、
胴体を村島さんに送ればそれに合った蓋を在庫から探して一緒に送り返してくださいます。

本体は焼成時に割れてしまうことがあるけれど蓋はきれいに焼き上がることが多いので、
たくさん余分があるのだそうです。

これまた送料はお客様負担になりますが、蓋は無料でOKとのことです。
このサービス、とてもありがたいです。

・宝瓶

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宝瓶(26) 10cm×8.5cm、高8.3cm(蓋は含まず)

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宝瓶(61) 9.8cm×8.5cm、高8.6cm(蓋は含まず)

宝瓶は玉露など、少なめの量を60度ほどのお湯で淹れるときの道具です。

玉露は飲まないけど形がとても気に入ったから酒器にするというお客様、
煎茶を低い温度で一人分淹れるから丁度良い、といってお求めくださったお客様もおられました。

村島さんによれば、こんな風に別の用途にと言ってお求め頂くことは度々あるのだそうです。
お客様の見立てで楽しんで頂ければ幸いです。

・湯冷まし

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14.7cm×10.5cm、高6.5cm  ※ご売約御礼

ポットで80度の保温設定ができるからか、湯冷ましの需要はぐんと減っているようです。
当店でお付き合いのある作り手さんで見ても、製作されている方は少ないです。

ただうちの叔母は必ず湯冷ましを通したお湯でお茶を淹れてくれるのですが、
特別なお茶葉を使っていなくてもいつも味がまろやかで美味しいので、
我が家でもそんな味にできたらと思い、会期が終わったらひとつ迎えることにしました。

ちなみにこの湯冷ましは片口として、汁注ぎやドレッシング入れに、というお客様も多いそうです。

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ちょっと目立たない場所にありますのでご来店の際はお見逃しのないようお願いいたします。

会期中ですが明日はお休みを頂きます。
ゴリゴリに焼けた急須や酒器、まだまだたくさん並んでおります。

まとめてご覧頂けるのは19日まで。
15日以降も皆さまのご来店を心からお待ち申し上げます。