Posts Tagged ‘山野孝弘’

「岩井窯・山本教行 展」より、ポット

木曜日, 8月 9th, 2018


灰釉いっちん文つる付きポット(18cm×12.5cm高20cm)


いっちん文つる付きポット(17cm×12.5cm高20.5cm)


黄釉いっちん文つる付きポット(17cm×12.5cm高21cm)


赤絵つる付きポット(17cm×12.5cm高20.5cm)

しっかりした蔓が手に入らなくなったため土瓶の制作は滞っていたそうですが、
当店でもおなじみの山野さんの蔓が山本さんにも行き渡るようになり、再開されました。
嬉しい限りです。

土瓶は日本に独特の道具でどの作り手のものでも日本的な雰囲気を強く感じるものですが、
山本さんの手にかかると洋の空気感が漂うのがおもしろいです。
作品名が土瓶ではなく「つる付きポット」とされているのも妥当に思います。

我が家でも1点所有しているのですが脚や丸みを帯びたフォルムは生き物みたいで愛嬌があり、
使うたびにワクワクします。


白掛つる付きポット(16.5cm×11cm高19.5cm) ※ご売約御礼


黄釉掛分つる付ポット(17cm×11.8cm高19.5cm)


白掛ポット(19cm×10.5cm高14.8cm)


灰釉いっちん文ポット(19.5cm×10.5cm高14.8cm)

今回は最近作られた中から6点の土瓶と、2点のポットが届いたのですが、
容量は番茶の葉を入れる分を考慮しても黄釉掛分つる付ポットが450mlほど、
その他はすべて500mlほど、どれもたっぷり入ります。

ついでのようで恐れ入りますが面取湯呑も2種、続けてご紹介させて頂きます。
こちらはお茶にもコーヒーにも紅茶にも合うカップで、
もし山本さんの作品を常設で扱うことができるならば定番的に扱いたいと妄想するほどです。

そしてこの湯呑は山本さんの土瓶、ポット、どちらにもとてもよく合うのです。
ポットと揃いで湯呑をとお考えでしたら是非ご検討ください。


白掛面取湯呑(径8cm高8cm)


白掛つる付きポットとセットに


灰釉面取湯呑(径8cm高8cm) ※ご売約御礼


灰釉いっちん文ポットとセットに

「岩井窯・山本教行 展」、会期は残すところあと3日となりました。
早いものです。

意外にこのタイミングで小さいサイズの耳付土鍋やマグカップがまだ残っています。
けっこう減ったと思いましたが最初が多かったので展示のボリュームもしっかりあります。
ぜひご来店ください。

ブログはあと2回の更新を見込んでいます。
インスタグラムは会期が終わるまで、随時更新して参ります。
ご覧いただけますと幸いです。

よろしくお願いいたします。

「前野直史 展」から、土瓶

水曜日, 4月 25th, 2018

会期は終わりましたがブログ更新、土瓶のご紹介です。

ここ数年は力を入れて取り組まれていて、本展にもたくさんお送りくださいました。
画像に収めるのがいくつか旅立った後になってしまいましたが、
まだお求め頂けるものから数点掲載させて頂きます。


土瓶 灰釉筒描(12cm×16.5cm高19cm) ※ご売約御礼


土瓶 糠釉(14cm×21cm高20cm)

初めての個展の時だったので4年くらい前になるでしょうか、
土瓶につける蔓が華奢なものしかなくなってしまった、これは困ったものだ、
と前野さんは嘆いていました。
他の作り手さんたちも同様に蔓のことに頭を悩ませているようでした。

そんな話を聞いた出雲民藝紙の紙漉き職人、山野孝弘さんが蔓の制作に興味を持ち、
すぐにかつて土瓶の蔓を製作していた松江藩籐細工の長崎誠さんに教わりに行き、
技術の習得に励んでくれました。

その頃はあちこちで職人さんが引退されたりお亡くなりになられたりが相次ぎ、
蔓が手に入らなくなることは出西窯にとっても懸念事項でした。

ただ出西窯は蔓の材料を手に入れる伝をお持ちでした。
さすがに自社で製作までは手が回らないから誰かやってくれる人はいないだろうか、
という相談を前野さんの最初の個展の半年ほど前に受けていたのです。

出西窯と山野さんにお互いのことを話したらすぐに話し合いの機会が設けられました。
今思い返しても急に歯車がかみ合ったような、不思議な巡り合わせでした。


土瓶 白丸紋小(12cm×19cm高18.5cm) ※ご売約御礼


土瓶 白丸紋大(15cm×22cm高22cm)


土瓶 黒丸紋(13.5cm×21cm高21cm)


土瓶 二重丸紋(13cm×20cm高19cm) ※ご売約御礼


前野さんと山野さんと土瓶

本展に向けて打ち合わせを重ね、会期前日に山野さん自ら取り付けに来てくださいました。
会期初日にも来てくれて、蔓のことで3・4時間話し込んでいました。

ご紹介の土瓶のうち丸紋の4点にはすべて山野さんの蔓が付けられています。
冒頭でご紹介した灰釉と糠釉の土瓶に付いているのはおそらく30年ほど前に作られた蔓です。
古い蔓は時間が経って味わいのある飴色になっていますが、それ以外は遜色ありません。

尚、山野さんの蔓は前野さんの土瓶だけではなく、当店への入荷もありました。
ご興味ございましたらお問い合わせください。


「土瓶好きの会」フライヤー

それからつい先日、前野さんといつもお世話になっている古民芸たつのさんらが発起人となり、
「土瓶好きの会」という会が発足しました。(当店も微力ながらお手伝いさせて頂きます。)

マニアック過ぎる、それだけに熱い会になるだろうと思います。
お客様や出西窯の陶工など、当店周辺でも徐々に話題になってきてこれからが楽しみです。

「土瓶好きの会」については動きがあり次第、ブログで詳しくお伝えいたします。
ご期待ください。


初日、開店直後の店内

2018年の「前野直史 展」、ブログはこれにて終了とさせて頂きます。
ご覧くださいましたお客様には心より御礼申し上げます。
ありがとうございました。

次は2年後に開催予定です。
また前野さんと何か企んで臨みたいと思います。
よろしくお願いいたします。

「民藝と暮らす2017」、31日からです。

木曜日, 5月 25th, 2017


DM

阪急うめだ本店にて開催される「民藝と暮らす」に今年もお誘い頂きました。
ありがとう御座います。

催事の規模の大きさとお客様のテンションの高さは強く印象に残っています。
今年も楽しみにお待ちくださっているお客様がたくさんおられることと存じます。
皆さまのご期待にお応すべく、気合いを入れて準備しております。

今年は出品するものを島根の手仕事に絞りました。
下記の作り手さんの品々を持っていきます。

・陶磁器
 白磁工房(石飛勲、石飛勝久)、出西窯、袖師窯、森山窯、湯町窯

・染織
 出西織多々納工房

・ガラス
 暁硝子(津田暁子)

・木工
 森山ロクロ工作所

・和紙
 斐伊川和紙

・土瓶の蔓
 山野孝弘

当店の売り場には初日の5月31日(水)と6月1日(木)に石飛勲さんが、
6月3日(土)と4日(日)は袖師窯の尾野さん夫妻が在店してくださいます。

他店さんの売り場にも作り手さんが連日来られるようです。
この機会に作品のことや製作のこと、いろいろお聞きになられてください。


袖師窯の薬味入れ、蔓は山野さんの作です。

6月3日(土)の午後4時から、場内で山野孝弘さんによる土瓶の蔓の制作実演があります。
ぜひお運びください。

蔓は取り付けるものの使い勝手も佇まいも大きく変えてしまう、重要なパーツです。
山野さんが作る蔓は太さやカーブの具合だけでなく削りもしっかり意識されています。
作り手に紹介すると皆さん喜んでくださり、採用する方も増えてきました。

ちなみに今回、当店の売り場に並べる土瓶や薬味入れの蔓はすべて山野さん作です。
眺めて、手に取って、お確かめください。

もちろん蔓だけでも販売いたします。
いろいろな形・大きさの蔓を用意したいと、山野さんが意気込んでいます。
可能であればお使いの土瓶を会場にお持ちになって、合うものをお選びください。


ワークショップや制作実演、トークショーといったイベントも充実してます。

尚、この出店に伴い5月29日(月)から6月9日(金)まで店舗はお休みいたします。
休業中にお寄せ頂くお問い合わせへのお返事にはお時間を頂戴することが多くなるかと思います。
ご不便をおかけいたしますが、何卒ご了承くださいませ。

会期直前まで走り回って品物を集めます。
すでにやり過ぎ感のある仕入れになっていますが、もうすこし欲張ります。
どうぞご期待ください。

土瓶の蔓が入荷しました。

火曜日, 11月 3rd, 2015

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左から3.5寸(10cm)、4寸(12cm)。 ※どちらも紐の長さがほぼ表記サイズです。

明日と明後日はお休みですが土瓶の蔓が届きましたのでご紹介いたします。

作者は松江市八雲にある出雲民藝紙の紙漉き職人、山野孝弘さん。
本職の勤めを終えてから自宅でコツコツと製作されています。

山野さんはかつて土瓶の蔓を製作していた松江藩籐細工の長崎誠さんに作り方を教わりました。
試作を何度も長崎さんにお見せしてお墨付きを頂いたそうなので、品質はどうぞご安心ください。

いま広く流通している蔓よりもすこし太めの材料を用いて作られています。
わずかな差ですが比べると山野さんの作る蔓のほうが持ちやすいですし、佇まいも良くなります。

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出西窯の土瓶(小)白。

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上の画像の土瓶、蔓を替えました。

作り手さんと話していて、土瓶の蔓にいいのがない、という話題になることが度々ありました。
いい蔓がないから土瓶の製作をお休みしている、という作り手さんもおられました。
蔓は何でもいい訳ではなく、土瓶の使い勝手と見た目に大きく影響する重要なパーツなのです。

けれど籐細工の職人がついでにやっていたような仕事だったので、
丁寧に作られた蔓であっても安価なものが出回り始めてくるとずいぶん買い叩かれたそうです。
作る人がどんどん減っていったのも無理はありません。

山野さんの蔓の価格は3.5寸が2,160円(2,000円+税)、4寸が2,538円(2,350円+税)です。
安くはありませんが材料を吟味して一昔前のものに近い仕上がりを目指して作られているだけあって、
冒頭で申し上げたとおり使いやすく、見た目のバランスも良くなります。

そんな蔓があることを喜んでくださる、楽しんでくださる方にお渡しできますと幸いです。

可能なお客様はお使いの土瓶をお持ちになって、実物に合う蔓をお探しになられてください。

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森山窯の土瓶2種。

ちなみに今、店頭に並んでいる森山窯の土瓶には山野さんの蔓が採用されています。
森山さんは良い蔓が手に入らなくなってからたまにしか土瓶を作らなくなりましたが、
8月の展示会で10点近くご紹介できたのは山野さんが間に合わせてくれたからでした。
個展以降も森山さんからの注文は続いているそうです。

ご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。発送も承ります。
山野さんの蔓を採用したいという作り手さんからのご連絡も大歓迎です。
喜んでお取り次ぎいたします。

どうぞよろしくお願いいたします。