「齋藤十郎 展」より、スリップウェア

2019年4月19日 金曜日
一本線の文様いろいろ  ※下左、ご売約
三本線の文様いろいろ  ※下左、下右、ご売約

スリップウェアは十郎さんの作陶において中心的な存在で、長く続けている仕事です。
メディアへの露出も多くご存知の方も多いことと思います。

技法についてはでググれば詳しい解説が見つかるでしょうからここでは割愛します。
ただ十郎さんが使っている道具にはぜひご注目頂きたく、ご紹介いたします。

一本線の文様を描くイメージ
三本線の文様を描くイメージ

文様は画像のような自作の道具を使って描かれます。
カレー粉の缶に穴をあけ、そこにエアコンの部品として使われている管を挿した、
ざっくりした道具です。

文様を思い通りに描きたい人はスポイトのような調整が簡単できるものを用いるのですが、
十郎さんはきれいに描けないように、あえて流れる化粧土のコントロールが難しい道具を作り、
使われています。

文様に自然な揺らぎやズレがあってどこか不完全だけど、そこに親しみや愛着を感じる、
というお客様の声は実によく耳にします。

それらを作る道具がこういう単純な仕組みで、こんな姿なのは微笑ましいと同時に、
どこか説得力さえ漂います。

スリップウェア楕円皿
スリップウェア7寸皿 ※ご売約御礼

2本線で文様を描くときは3本線用の道具の管を一つ塞いで、2本から出るようにするそうです。
これまた単純な仕組みです。

十郎さんは文様について、自分じゃなくてもできるようなものでいい、と話してくれました。
実際こうして道具を見せて頂くと、解説を聞かなくても直感的に分かるほどです。
いずれ人を何人か雇って一緒に仕事をしたいと考えているそうです。
すでにかつての窯元や製陶所のような量産が可能なポテンシャルを感じ、ワクワクしました。

横縞いろいろ
縦縞いろいろ
ちょいと引っ掻いたお皿2種。
かなり引っ掻いたサンマ皿
サンマ皿にズーム
使い古した茶筅を分解して貼っただけ、という簡単な道具で引っ掻いてます。

黄×黒は様々な文様がありますが、白×黒はシンプルな縞模様とか
縞に画像のような道具で引っ掻いてアクセントをつけたものが多く、
全体的にすっきりした印象です。

ただやはり、どこかしら「ゆるさ」を感じます。
形かなと思いましたが、シャキッとした形でもどこかユルい。
何はともあれ、十郎さんの作品に一貫している空気感だなぁと思います。

スリップウェア9寸皿

早いもので「齋藤十郎 展」、残すところあと3日となりました。
昨日からお問い合わせが急に増え、お返事にお時間を頂戴しています。
誠に恐れ入ります。

ご希望のお品物がバッティングしている場合、特にお時間を頂くことが御座います。
ご了承頂けますようお願い申し上げます。

まだまだ良いものたくさん並んでいます。
期待してご来店ください。

「齋藤十郎 展」より、象嵌

2019年4月18日 木曜日
象嵌6寸皿(径18.5cm高3cm)
象嵌角小皿(10.5cm×9.5cm高2.8cm) ※上段中、下段右、ご売約済み
象嵌正方鉢(17.5cm×17.5cm高4.5cm) ※下段中・左、ご売約済み
象嵌楕円皿 小 (24.5cm×15.8cm高2.8cm)
象嵌楕円皿 大 (28cm×18.3cm高3.5cm)
楕円皿 小 と 大 を重ねて。わずかな差ですが使い勝手はけっこう違います。

象嵌も十郎さんがここ数年熱心に取り組んでいる仕事です。
本展にもたくさん届きました。

焼成と冷却の際の収縮率が違う土を組み合わせるため、
象嵌の作品は土の境目にひび割れが起きることがよくあります。
ただ本展に並んだ品々にはそういった箇所がほとんど見当たらないし歪みもなく、
きれいに焼きあがっています。

いろいろ試してきてだいぶ完成度が上がった、と十郎さんは仰っていました。
お好きな方には本展に並んだ品々を強くお薦めいたします。


大きな輪は磁器製の碍子で
小さな輪は細い竹の棒で

象嵌の模様も極めて単純な仕掛けです。
画像のように磁器製の碍子や細い竹をスタンプにして押し付けて土をへこませて、
その凹みを白土で埋める、といった感じです。

「碍子はわずかに歪んだ丸になってて、それがいいんです。完全な丸はつまらないです。」
と十郎さんは話してくれました。
連続して押しても機械的、無機質な模様に感じないのは土や釉の調子が表情豊かなのと、
模様の細工にこういった道具を選択していることも大いに影響しているようです。

象嵌角平皿 その1(26.5cm×22.5cm高3.7cm)
象嵌角平皿 その2
象嵌角平皿 その3 ※ご売約御礼

「齋藤十郎 展」、会期は半分を終えました。
たくさんのご来店にあらためまして感謝申し上げます。
ありがとう御座います。

通販希望のご連絡も数件頂戴し、たいへん嬉しく思います。
重ねて感謝申し上げます。

作品はけっこう減りましたのでご期待に添えないお客様もいらっしゃいますが、
象嵌の作品は入荷が多かったので比較的ご希望どおりの対応ができています。
目に留まったものが御座いましたら諦めずに、どうぞお問い合わせください。

よろしくお願いいたします。

「齋藤十郎 展」より、追加の品々

2019年4月17日 水曜日

昨日の夕方に十郎さんから追加の品々が届きました。
二日間の在店を終えお疲れのところ、帰宅してすぐに手配してくださったようです。
ありがとう御座います。

オーバル切立鉢いろいろ
上から

オーバルの鉢は本展に来るだろうと思っていたのですが、来ませんでした。
期待していたお客様も何名かいらっしゃり、そんな声を受けてお送りくださいました。
指描きは豆、4寸、5寸、6寸、灰釉は4寸、5寸、6寸が並びました。
ぜひ店頭でご確認ください。

ポット2種 ※左、ご売約

ポットは好評で勢いよく旅立ったため、SNSの画像を見て目を付けていたものがない!
というお客様がいらっしゃいました。
そのお客様のお目当てのものと、売り場が寂しくなっていたことにお気付きだったようで、
この2点を追加してくださいました。

醤油さし3種 ※飴、点々、ご売約

醤油さしは十郎さんも「これだけは自信があります!」と仰るほどで、
実際我が家でも使っていますがキレが良くて伝い漏れをしない、かなりの優れものです。
たいへん好評で三日目の開店早々に完売となっていましたが、こちらの3点が届きました。
早い者勝ちです。

以上、追加での到着品をざっくりですがご紹介させて頂きました。

通販をご希望のお客様への対応は昨日から開始しております。
ただしオーバルの切立鉢だけは今回が十郎作品の扱いを始めてから初めての入荷につき、
会期終了まで店頭販売のみとさせて頂きます。
ややこしくて恐れ入りますが、何卒宜しくお願い致します。

明日から会期は後半戦です。
まだまだたくさんの作品を並べてお待ちしております。
よろしくお願いいたします。

「齋藤十郎 展」より、点々 その2

2019年4月16日 火曜日

カー用品店で買ったスポンジが釉の乗り、耐久性に優れていて良いそうです。

点々の模様はすべてこのようにスポンジを切り取ったものをスタンプにして施されます。
昨日ご紹介した点々は丸く、今日の点々は四角く切り出しただけで他はすべて同じ条件です。
やちむんをカバーしたことで派生した新しい模様、これまた愉快です。

左から2番目の正方形の点々は今回届きませんでした。
十郎さんに聞いたところ向きを◆にして使うことが多いのだそうです。
好い模様になる予感しかしません。注文します。ご期待ください。

点々7寸皿 ※完売御礼
点々5寸皿(径12.5cm高3.5cm) ※完売御礼
点々湯呑( 2点とも径8.5cm高9.3cmほど )
点々9寸鉢(径26cm高8.5cm)
9寸鉢の見込み
暗いですが最上段にご注目ください。

上の画像のように角の点々はマグカップや飯碗、丼などもあったのですが、
入荷数が少なかったうえに好評で早々に品薄になりました。
撮影が間に合わずブログでのご紹介点数が少なくなり、恐れ入ります。

冒頭に綴ったとおり点々の作品はいろいろ注文します。
常設での入荷を楽しみにして頂けますと幸いです。

スポンジをスタンプにするとはこういうことです。

ちなみに本展には十郎さんが製作に用いている道具もいくつか展示しています。
あの模様を施す道具はこんなに単純な仕組みなのか、こんなものを使ってたのか、
と思って頂けることと思います。
明日以降のブログでもご紹介しますが、ご来店の際はぜひご覧ください。

「齋藤十郎 展」会期中ですが明日はお休みを頂きます。
お間違えなさいませんようお気を付けくださいませ。

お問い合わせへの対応は今晩から開始となりました。
ご希望のものが御座いましたら、 CONTACTページよりお気軽にお問い合わせください。

よろしくお願いいたします。

「齋藤十郎 展」より、点々

2019年4月15日 月曜日
14日の正午頃。 数分後、お客様はさらに増えました。

齋藤十郎さんの初めての個展が始まりました。
十郎さんが在店してくれた13・14日は大盛況で、私たちも十郎さんも慌てました。
たくさんのご来店に心から感謝申し上げます。
ありがとう御座いました。

特に混みあった時間帯には一言も言葉を交わせなかったお客様が何名かいらっしゃいました。
たいへん失礼いたしました。この場を借りてお詫び申し上げます。

さて本展もできる限りブログを更新して参ります。
初回は点打ちの作品をご紹介いたします。
伝票に「点々」とありましたのでここでも「点々」とさせて頂きます。

点々皿8寸(径24.5cm高5.5cm)
点々皿5寸(径15cm高3.8cm)、6寸(径18cm高4.5cm)
点々サンマ皿(30.5cm×14.5cm高2.3cm)、点々正方皿(13cm×13cm高3.5cm)
点々角豆皿(10.5cm×9.5cm高2cm)、 点々角小皿 (15.5cm×13.5cm高3cm)
点々ポット 小(16.5cm×10cm高9.5cm)、ポット(※ご売約御礼)

以前に十郎さんにどんな焼物が好きか質問したら真っ先に金城次郎さんの名前が出ました。
そして金城次郎さんに限らず沖縄の陶器には好きなものが多い、とも話してくれました。

やちむんの大らかで生命感に溢れた、自然の一部のような姿に憧れる作り手は多いと思います。
でもそれに倣った作品を沖縄以外の地域で自分なりにやろうとする人は少ないと思います。
あれほど現地の風土を感じさせるようなものはただ真似ても上手くいきそうにない、
ということは作り手ではない私でさえ予感します。

でも十郎さんのこの手の作品群はやちむんという名曲を上手くカバーしたかのようで、
こういうふうな作品が在り得るんだと、いい意味で期待を裏切られました。
現地の作り手でなくてもやちむんへの憧れや敬意を自作に落とし込んで表現することはできる、
という一つの事実を見せてくれているような気がします。

湯呑(径8.5cm高9.3cmほど)、マグカップ(11cm×8.5cm高9.6cm)※中、ご売約
点々飯碗(径13cm高6.5cm)、点々どんぶり 小(径15.5cm高7.8cm)
点々9寸鉢(径26.5cm高8.7cm)
9寸鉢の見込み

余談ですがこれらの作品を勝手に「やちむんリスペクトシリーズ」と呼んできました。
お客様との会話の中で「形はいわゆる写しです。完全にやちむんへのリスペクトなんです。」
と十郎さんも仰っていましたので間違いではなかったようでこれまた勝手に安心しています。

どれもやちむんからズレて、十郎さんの空気感がしっかり含まれた似て非なるもの、
「点々」になっています。なんだか愉快に感じるのは私だけでしょうか。

何はともあれお客様に好評ですし、個人的にも欲しいものがたくさんの点々シリーズ。
長く続けて頂きたい仕事だと強く思います。

ピッチャー3種(左から高17cm、16cm、21cm)

明日もブログを更新します。
画像の右のピッチャーのような模様の作品をご紹介します。
最初から少なめだったのと旅立ったものもいろいろあって少しになりますが…
ご覧頂けましたら幸いです。

よろしくお願いいたします。