「前野直史 展」から、筒描

2018年4月19日 木曜日


筒描皿いろいろ

DMには前野さんにさっと描いてもらった筒描の下絵を採用しました。
なので筒描皿は特に意識して取り組んで頂きました。

しかし初めて使う釉薬があったり形も試行錯誤を繰り返したりでぶっつけ本番、
前野さんに多少は不安があったようですし、私も祈るしかありませんでした。

結果的には満足いくものを並べることができ、お互い大いに喜びました。
またご好評いただけていることも大変うれしく思っております。
ありがとうございます。


筒描皿5寸白 その1(径16cm高2.5cmほど) ※右、ご売約御礼


筒描皿5寸白 その2(径16cm高2.5cmほど) ※左、ご売約御礼


筒描皿5寸白 その2、左にズーム


筒描皿7寸白(径22cm高4cm) ※ご売約御礼


筒描皿5寸、茶と白(径16cm高2.5cmほど)


筒描皿5寸茶 その1(径16cm高2.5cmほど)


筒描皿5寸茶 その2(径16cm高2.5cmほど) ※左、ご売約御礼


筒描皿5寸茶 その2、左にズーム


筒描皿5寸茶 その2、右にズーム


丹波の古作の蓋と筒描皿。 ※右、ご売約御礼

筒描のモチーフは主に丹波の古作の蓋に描かれた紋様ですが、
前野さんがスリップウェアのうつわに描いているのと同じ紋様もあります。
このお皿の雰囲気に合いそうなものを下絵の段階でも描かれていました。
いい感じに落とし込まれています。

ちなみにすべて本展直前の窯で焼かれたものですが、一つ一つの雰囲気がけっこう違います。
特に茶色は個体差が出やすくて窯の中では隣同士だったものがまったく別の焼き上がり、
ということも珍しくないそうです。
まぁでもどう転んでも良いみたいなので助かります。

尚、筒描皿については作品展直前の記事↓にも詳しく綴りました。
ご覧頂けますと幸いです。

objects blog 2018.4.12 『14日から「前野直史 展」です。』


蓋物いろいろ ※右、右から2番目、ご売約。


蓋物の裏

徳利や蓋物も丹波の古作へのオマージュとして前野さんが注力された作品です。

底面の雰囲気もどうやったらそうなるのかをとことん調べ、考え、近づけています。
そんなとこまでとお思いになられるかもしれませんが手本となる古丹波への敬意でしょうし、
写しを作るのであれば隅々までやるのは大切なことだと思います。

ほどよく灰がかかって古作と見紛うような雰囲気に仕上がったものもありました。
最後の最後、窯からのご褒美でしょうか。


蝋燭徳利いろいろ


蝋燭徳利灰(高17cm)


蝋燭徳利白(高17cm) ※ご売約御礼


蝋燭徳利鉄(高18.5cm)

こうしていい結果のものだけ並べるとまったく見えなくなりますが、
残念ながら徳利には焼け過ぎで商品として出せないと判断したものが多数あったそうです。

作り手は皆さん苦労話を好まないし、してくれるなといった感じではありますが…
上手くいかないかもしれないというリスクと上手くいくまでのコスト、
それらを伴なう材料や手段を選択し、製作している作り手の苦労を思わない訳にはいきません。
仕事の一面としてお伝えしておきます。


筒描尺皿 柳文(径29cm高5cm)


ズーム

前野さんのブログでも本展に並んだ作品について紹介してくださっています。
この筒描尺皿についても前野さんらしい文章が添えられていました。
ぜひご覧ください。

前野さんのブログ やきものをつくろう 生畑皿山窯
筒描尺皿の記事 「筒描尺皿 柳紋」

明日はおなじみのスリップウェアをご紹介します。
よろしくお願いいたします。

「前野直史 展」から、櫛描

2018年4月18日 水曜日


白掛櫛目湯呑(径8cm高9cm、径7.5cm高8cm、桂8.5cm高9cm)


白掛櫛目碗(径11.2cm高5.7cm、径11.5cm高6.5cm)

櫛でささっと描くだけと言ってしまえばそれまでですが、
模様を入れる場所のちょっとしたバランスや筆致の強弱、決して簡単ではないと思います。

そんな櫛描きも最近は唐津の古作などを参考に力を入れて取り組んでいるそうです。
本展には湯呑やお椀、お皿といった気兼ねなくふだん使いできるものが並びました。
どれも軽やかです。


白掛櫛目浅鉢7寸 その1(径21.5cm高4.5cm) ※左、ご売約御礼


白掛櫛目浅鉢7寸 その2(径21.5cm高4.5cm)


白掛櫛目浅鉢8寸 その1(径24cm高5.5cm)


白掛櫛目浅鉢8寸 その2(径24cm高5.5cm)

浅鉢の7寸か8寸を会期が終わってから自家用にと思っています。
櫛描に様々なリズムがあるので選ぶのが楽しみです。

大きな鉢も並びました。
どれも白の繊細さと大物ならではのダイナミックな景色を備え、抜群の存在感です。
無地だったとしても美しかったであろう白の質感もお見逃しなく。


白掛櫛目鉢 切立(径32cm高6.5cm)


ズーム


白掛櫛目大鉢 その1(径31cm高8cm)


ズーム


横から


白掛櫛目大鉢 その2(径35.5cm高9.5cm)


ズーム


横から


側面は指描き

きれいに焼けても降り物がたくさんあっても、それぞれに美しいです。
どれも使ってよし飾ってよし、大きな鉢をお探しの方には強くお薦めいたします。

「前野直史 展」、明日から後半戦です。
すでにお問い合わせを数件頂戴しております。
誠にありがとう御座います。

ご購入対応は22日の営業終了後、お声の早かった方から順番にご案内となります。
目に留まるものが御座いましたらcontactページよりどうぞお問い合わせください。

よろしくお願いいたします。

「前野直史 展」から、掛分

2018年4月17日 火曜日


掛分額皿 ※完売御礼


掛分角皿(17cm×17cm高3cm) ※完売御礼


掛分角鉢(19.5cm×14cm高3.2cm)


掛分八角皿(径24cm高3.5cm)


掛分平皿5寸(径16cm高2.5cm)


掛分平皿8寸(径24.5c高4cm)

ひとつの個体に2種類の釉薬を掛けるというとてもシンプルな意匠ですが、
相性のいい釉の組み合わせを見つけることと、それを形にほどよく収めること、
このふたつを果たすのはそう簡単ではないように思います。

前野さんの灰釉と鉄釉による掛分はどちらも落ち着いた色味をしていて、
印象的な見た目にはなりますがどれも全体の雰囲気はいたって静かです。

お使いのお客様から「盛り付け心をくすぐられる」「かっこよく盛りたいときに手が向く」
という話を度々お聞きします。
うつわが前に出るのではなく、お料理をしっかり引き立ててくれるようです。

当店では4年前に初めてご紹介しました。
それ以来うつわと同じく静かに、しかし確実にご好評いただいております。


掛分平皿5寸にズーム


掛分平皿5寸の裏


掛分八角皿にズーム


掛分八角皿の裏

ちなみに今回、釉の境目がキッチリしているものと、ぼんやりしているものがあります。
これは施釉の際にうつわを釉に浸したものと柄杓で掛けたもので生じた違いです。

掛分平皿は柄杓で表面だけに釉を掛けているので境目がぼんやりします。
裏には表に掛けた釉が伝い流れてはいるもの、施釉は無しです。

掛分八角皿は釉の入った甕に浸しているので水平線のようにまっすぐな境目になります。
広く蝋引きされた底面には釉が掛かりませんが、蝋が引かれていない縁に近い部分は施釉されます。

掛分八角皿のように蝋引きして釉に浸すというのが通常の手順だったようで、
これまで当店に並んだ掛分の作品は釉の境目がまっすぐなものが多かったです。

ただし今回は製作時間が足りず窯焚きの日が迫ってきてしまい、
蝋引きをするほどの余裕がなかったので時間短縮のために柄杓で掛けたものがいくつかあり、
結果として両方の表情のうつわが揃ったのだそうです。

個人的にはあのぼんやりした掛分も好みなので、どちらもご紹介できて嬉しく思います。


灰釉額皿(14.5cm×14.5cm高2.5cm)


鉄釉皿8寸(径25.5cm高4cm) ※、完売御礼


灰釉壷(径14.5cm高18.5cm)


灰釉白打壷(径13.5cm高20.8cm)


ズーム

灰釉も鉄釉もそれぞれが単体でも十分魅力的です。
今回は少なめですが店内には灰釉、鉄釉の作品もあります。
是非じっくりとご覧になられてください。

「前野直史 展」会期中ですが明日はお休みを頂きます。
お間違えの無いようお気を付けくださいませ。

ブログは更新いたします。
ご覧頂けましたら幸いです。

どうぞよろしくお願いいたします。

「前野直史 展」から、泥彩

2018年4月16日 月曜日


初日開店直前の店内。

14日から始まりました「前野直史 展」、お天気に恵まれない初日ではありましたが、
遠くからはるばる来てくださったお客様や近くで楽しみに待っていてくださったお客様、
親しい作り手さん、たくさんの方がお越しくださいました。
心より感謝申し上げます。

初日と二日目は前野さんが在店してくださいました。
前野さんはお客様とのやり取りを面倒がらず、むしろいつも楽しんでくださるからでしょうか、
お会いするのを楽しみにお越しくださったお客様が多いのが印象的でした。

在店中にお客様が集中する時間帯があるものですが、今回はそういったことがありませんでした。
多くのお客様が前野さんとしっかりお話できてゆっくり作品をご覧頂けた、良い二日間でした。

さて今回もいつもどおり、ブログを更新して参ります。
本日は泥彩の作品をご紹介いたします。


焼締泥彩陶板 その1(14cm×14cm厚1.5cm)


焼締泥彩陶板 その2(14cm×14cm厚1.5cm)


焼締泥彩皿18 その1(径18cm高2.8cm前後)


焼締泥彩皿18 その2(径18cm高2.8cm前後)


焼締泥彩皿18 その3(径18cm高2.8cm前後)


焼締泥彩皿18 その4(径18cm高2.8cm前後)

模様は茶筅、筆、叩いて毛羽立たせた竹などを使って描かれていてどれも軽やか、
焼締めの質感との組み合わせもとても合っているように思います。

前々回の作品展の時に熱心に取り組まれていた「チョーク描き」と似た雰囲気を感じます。
並べて使えたらおもしろそうです。
(参考:2014年の作品展のブログ記事 「前野直史 展」から、チョーク描き


焼締泥彩皿21 その1(径21cm高3cm)


焼締泥彩皿21 その2(径21cm高3cm)


焼締泥彩皿21 その3(径21cm高3cm) ※ご売約御礼


焼締泥彩皿21 その4(径21cm高3cm)


焼締泥彩皿21 その5(径21cm高3cm)


焼締泥彩皿21 その6(径21cm高3cm)


その6にズーム。

焼成時に灰が降りかかるとそこにガラス質ができるため、
灰の影響を受けたものと受けていないもので表情にかなり違いが生じます。

「焼締泥彩皿21」にはかすかに灰が降ったようです。
鉄絵の穏やかさと相まって静かな印象です。

「焼締泥彩皿18」はほとんど灰の影響は受けなかったようです。
こちらはこちらで焼締めの緋色がきれいです。

些細なことかもしれませんが、ご来店の際はぜひ手に取ってご確認ください。
どちらも見捨てられない美しさをお感じ頂けることと思います。


焼締泥彩鉢20 その1(径19.5cm高5cm)


焼締泥彩鉢20 その2(径19.5cm高5cm)


焼締泥彩鉢20 その3(径19.5cm高5cm)


その3にズーム


焼締泥彩鉢25(径25.5cm高7cm)

ちなみに泥際のうつわもこれまでの前野さんの作品と同じ型で起こしてあります。
一緒に重ねられますので買い足しに安心してお選びください。

複数お選びになられる際に泥彩とスリップウェアなどを組み合わせるのも楽しそうです。


焼締泥彩壷(径15cm高15cm、径20cm高20cm)

ブログだけでなくインスタグラムも会期中は頻繁に更新します。
ご購入のご案内は22日の営業終了後からとなりますが、お問い合わせは随時お受けいたします。
目に留まるものが御座いましたらどうぞご連絡ください。

よろしくお願いいたします。

14日から「前野直史 展」です。

2018年4月12日 木曜日


筒描皿5寸 (撮影:前野直史)

3回目となる前野さんの作品展がいよいよ土曜日からです。

今回も前野さんと大まかな方向性を話し合い、
古丹波へのオマージュとでも言うべき作品に取り組んで頂く会となりました。

古丹波は前野さんにとって愛すべき焼物であり陶芸を始めるきっかけでもあります。
なのでそれらを意識した仕事を依頼するのは自然なことのように思えましたし、
前野さんもすんなり受け入れてくださったように思います。

具体的には丹波の古作によくあるイッチンで様々な模様が施された蓋物の蓋、
あれがお皿になったようなものを作って頂けないか相談しました。

蓋に描かれた模様や前野さんが描くスリップウェアの模様がイッチンで施された、
古丹波の名作「住吉丸太かうし皿」のような雰囲気のお皿ができたら素敵に違いない!
という期待と自信を込めてお願いしました。

DMはそんな本展を象徴すると言っても過言ではない「筒描皿」の下絵でした。
前野さん自身はじめて挑む作品のため撮影用に貸して頂けるものはなく、
だからといって参考にした古作を撮るわけにもいかず…
前野さんからの年賀状に手描きの絵があって、それが印象深かったのでお願いしました。

結果的に多くの方にとっては作品展が始まってからでないと意味が分からない、
という格好になりましたが、味わい深くて心に残るDMとなりました。
(嫌がらず、おもしろがって引き受けてくださった前野さんには感謝感謝です。)

冒頭の画像ですが、今日届いた「筒描皿」DMに描かれたお皿の完成品です。
前野さんがDMと同じ配列で撮った画像をくださいました。

やはり味わい深いお皿に仕上がっていて、お願いしてよかったと喜びました。
ぶっつけ本番で心配したけど納得の仕上がりだと、前野さんの合格も出て何よりです。

新品ならではの初々しさはありますが使い込んでいけば色味や質感が変化してぐっと渋くなり、
それこそ丸太かうし皿や古丹波の蓋のような姿に近づいてくれるのではと、ワクワクします。

尚、本展にはおなじみのスリップウェアも並びます。
最近熱心に取り組んでいらっしゃる型物、泥三彩、掛分、櫛描のうつわも充実しています。
かなり豊富な品数で何気に準備はとてもたいへんです。

作品展ならではの幅のある展示を、皆さまと楽しむことができましたら幸いです。
ご来店、お問い合わせを心よりお待ちしております。


DM

心に響いたものは見に出かけ、心打たれたものについては調べ、可能であれば
それらを買い求めて身近に置き、暮らしの中で日々親しむ。そうやってものと
対峙してきた経験は強力な糧となり、前野さんの手からゆっくりと染み出て
いるように思います。

本展では長く続けている仕事とともに、ここ数年の新しい仕事もご紹介します。
新作にはまず目新しさを覚えますが、手にとって眺めていると長年の仕事に在る
前野さんらしさもじわじわと伝わってきます。

前野さんが愛して止まない古丹波への敬意を込めた作品もお願いしました。
どんなものが届くか、実に楽しみです。

どうぞお出かけください。

◆前野直史さん在店日 14日(土)、15日(日)

会期 2018年 4月14日(土)~ 4月23日(月) ※18日(水)はお休みします。
営業時間 11:00~19:00 ※16日(月)のみ18時閉店。