イッチン体験

イッチンを使った品は沖縄の皆さんや森山雅夫さんによるモノが現在たくさんあります。
軽かったり強かったり、皆さんそれぞれの表情で愉快です。少しご紹介します。


上江洲茂生さん 9寸平皿


照屋佳信さん 6寸皿


森山窯 片口4寸


松田米司さん 5寸皿


宮城正享さん 5寸皿

昨年末、石飛勲さん・勝久さんの工房でこのイッチン技法を体験をさせて頂く機会がありました。
当店ではまだご紹介できておりませんが、お二人も時々イッチンを使ったモノを作られます。

工房に伺うと勲さんが陶板を用意してくださっていて「ロゴマークの柳を描いてみたら?」と
仰るので挑戦することになりました。勲さんの助言をもとに、以前拝見した森山雅夫さんの
イッチン作業を思い出したりしながらやってみましたが、まー当然思うようにできるはずがなく、
実に難しかったのです。

描いては消し、描いては消しの繰り返し、あまりのセンスの無さに作業を中断、休憩、瞑想、
再挑戦、でもやっぱりやり直し、、、何度もアドバイスをしてくれた勲さんの口数も減り、、、
しまいには横で見ていたかみさんが代わって描いたほうがだいぶマシだったのでそれを
後日の窯で一緒に焼いてもらうことになりました。

ただかみさんも上手く描けたという自信はないので、どんなのが出来上がっちゃうんだろうと
二人して恐怖に震えていたところ、先日勲さんが、松江に用があったので、と完成した陶板を
片手に立ち寄ってくださいました。鬼に見えました。

ところが完成品は思っていたよりもはるかに良くて、驚きました。

これで良くなってるの?と思われるかもしれませんが、もっとひどい出来を想像していました。
焼く前を写した画像があれば伝わりやすかったのですが… 幸か不幸か見当たりません。
それはさておき、この仕上がりを見て「何ものか」が助けてくれた、そんな気がしました。

石飛さんも「こんなに良くなると思わなかったからビックリしてねぇ。」(正直なお方です。)
と仰っていました。貴重な経験をありがとう御座います!


店内レジ奥の端っこで控えめに。

作り手から「窯の調子が良かったおかげで今回は良い出来になりましたね。」とか、反対に
「焼くまでは順調だったけど窯が上手くいかなかった…」この手の話を何度か耳にしたのを
思い出しました。「窯にまかせて」「焼けてかたまれ 火の願い」なんて言葉も思い出されます。

作らせてもらったのはお遊びの陶板に過ぎませんが、今まで作り手の皆さんから聞いた話や
この経験を通して「何ものか」を恐れたり、敬ったり、感謝する気持ちを、また皆さんが日々
大変なものを相手に仕事をされているということを、ほんの少しだけですが体感できたように
思います。

今一度目の保養に、


宮城さんのピッチャー(小)


9寸皿

どちらもキテます。

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