Archive for the ‘個展・企画展’ Category

「佃眞吾 展」より、棚・机・厨子

土曜日, 9月 15th, 2018


棚 (43cm×28cm高85cm)


いろいろ置いてみました。

家具職人、指物師の元でもしっかり腕を磨かれたことはこれらの作品から分かります。
塊から形を出す刳り抜きとはまったく違う、パーツを組み合わせていく仕事。
狂いは許されませんがどれも気持ちいいほどピタッと収まり、全体の均衡が保たれています。

棚は最初に見た時、華奢な印象を持ちました。
ただいくつか物を置いてすぐに、あ、これでいいんだと思わされ、
一日眺めていたら、あ、これだからいいんだ、と思わされました。
小品がこんなにきれいに置けるなんて、嬉しいですね。

線の細い家具ならではの利点、美しさは新鮮でした。
こういうものは今までスルーしがちだったような気がします。
想像力も働かせて、もっとちゃんと見なければと反省した次第です。


文机 (85cm×32.5cm高25cm) ※ご売約御礼


天板にズーム



文机には神代欅といって長い間埋もれていた古木が使われています。
化石になりかけた木、と佃さんはお客様にご説明されていました。
かっこいい。

実は今回、神代欅の木瓜盤と円卓もありましたがどちらも早々に行き先が決まり、
画像には収められませんでした。
誠に恐れ入ります。

独特な脚のかたち、わずかに立ち上がった縁、色味、質感、香り…
お決めになられたお客様もすべてにぞっこんでした。


厨子 (13.5cm×13.5高24.8cm)


中はこのようになっています

仏壇は置きたくないけどこういうお厨子なら、と思われている方は多いのではないでしょうか。
弔う側も、向こうに逝った御方も、大そうな箱を住まいに置くより簡素なものを、という思考と、
こういったものへの嗜好をお持ちなら尚のことお薦めいたします。

住宅事情が変わってきて仏間はなくなりつつあるようです。
ただ亡き人のことを想ったり、繋がりを保つという心が消えていってしまうのは悲しいです。
こういう形でも残っていけばいいなぁと思います。


本日、閉店直前の店内。

会期はあと2日となりました。
最初の3日を終えて売り場をグッと縮小しましたが、それ以降は変わっていません。

どれも少しずつ売れていくので全体的に品薄ではあるのですが、
不思議なもので1点は残ってくれているので品切れにはならず、まだ店頭に並べられています。

明日、明後日のどちらかで、とお考えのお客様もご来店を楽しみにして頂ければと思います。
お問い合わせをお考えのお客様も諦めずに是非。

「佃眞吾 展」より、茶入れ

金曜日, 9月 14th, 2018


蔦 金輪寺(径7.7cm高8.5cm)


ズーム


内側

金輪寺はお茶やお茶道具に詳しくない人には馴染みのない呼び名だと思います。
恥ずかしながら私も疎い人間ですのでざっと調べた情報で恐れ入りますが…
元々は小型の経筒として使われていたものでそれが茶入れに転用されるようになった、
というのが有力な説のようです。

材は大きく育った蔦です。
最初に蔦だと聞いた時はすぐに信じられませんでした。
あの蔦です。どれだけ大きく育ったものか、想像するとゾクッとします。

そんな材が使われているせいか、簡素なかたちの小品ながら佇まいには強さを感じます。
時間が経って漆の透明度が今より増してきたら存在感も増してくるに違いありません。

ちなみに蔦の金輪寺は黒田辰秋さんも古作に憧れ、たくさん制作されたそうです。
佃さんの金輪寺からも古作や黒田作品への敬意を感じます。


根来手薬器 菊花(径9.3cm高7cm)


内側


根来手薬器(径7.7cm高8.5cm) ※ご売約御礼


内側

薬器も茶道具として親しまれていますが、その字のとおり薬を保存する器でした。
今回は根来手のものを2点ご用意くださいました。

作りの細かさ、確かさ、そして色味や質感、作品全体が醸し出す空気感…
隅々まで行き届いているなぁと感じます。

すでに骨董品のような味わいを帯びていますが使い込まれて出るような艶はなく、
人が何度も触って完成される美しさがこれらにはまだ秘められているように思います。
骨董の新品といったところでしょうか。


蓋にズーム

早いもので「佃眞吾 展」も残すところあと3日となりました。
こうしてまとめて作品を並べてみて、新たな発見や気付きがたくさんあります。
無事に開催できたことをあらためて嬉しく思う次第です。

これまでの常設では多くても棚一つ分並べるのが精一杯でした。
初日に比べれば当然減りましたが、まだまだたくさん並んでいます。
この機会にぜひご覧ください。

お問い合わせも数件頂いております。
誠にありがとう御座います。

目に留まるもの、気になることが御座いましたらお気軽にCONTACTページよりご連絡ください。
よろしくお願いいたします。

「佃眞吾 展」より、箱

木曜日, 9月 13th, 2018

・刳り抜き

先日ご紹介したお盆は刳り抜きの仕事としてご理解頂きやすいかと思いますが、
これらも同じ木の塊から削り出したものです。
蓋と胴体で杢目がピッタリ合っているのがその証拠です。


欅 合子 コブ杢(11.8cm×11.6cm高8.2cm) ※ご売約御礼


内側


側面にズーム


栃 小箱(16.3cm×9cm高8cm)


外側と内側


蓋の上面、本体の裏面


サイン


栗 三段重(26.3cm×20.3cm高16.5cm)

欅の合子はコブ杢。木のコブを削ってできています。
全体的にゴツゴツしていますが、ズームした部分のように急に静かな箇所があったり、
クセのある感じがたまりません。

栃の小箱も元々は木の中にあった立方体で、それがごそっと箱になって出てきたかのようです。
断面が変わると木目の雰囲気がまったく違うのも見どころになっています。

どちらも決して大きなものではありませんが存在感があります。
何かに使うにも、ちょっとした空間に置くだけでもいい仕事してくれると思います。

ちなみに作品には吾の字が彫られたり、書かれたり、いろいろなサインがあります。

・指物


欅 八角合子(9.5cm×9.5cm高9.7cm)


内側


欅 八角盒子 その2(10.8cm×10.8cm高9.8cm)


縁にズーム。面取のようですが、一枚ずつ貼り合わせてあります。


桂杢重飾箱(18cm×7.6cm高14.6cm)


これも貼り合わせ。


箱の裏側にも緻密な仕事。

佃さんの作品には刳り抜きのような素材や手の力を感じる強い仕事もあれば、
こういう細やかで狂いの許されない仕事、人の知恵と技術を感じるものもあります。
木工作家としての実力を感じます。

どれもさり気ないカーブや肉付き、縁の処理、そういったところにも目が行き届いていて、
作品には職人的な厳しさと作家的な厳しさ、両方が存在します。
ご来店の際は遠慮せずに手に取ってご確認ください。

明日は茶入れによさそうな小物をご紹介します。
これまた細やかながら強くて美しく、存在感のある品々です。

どうぞご期待ください。

「佃眞吾 展」より、お盆 その3

火曜日, 9月 11th, 2018


mokki box 小(19cm×19cm高5.5cm)


mokki box 中(23cm×18.5cm高5.5cm)


我谷盆 古式 乱盆(30.5cm×21.2cm高6.7cm)


見込みにズーム


mokki バスケット(27cm×17cm高7.5cm) ※完売御礼


一年ほど使用したmokkiバスケット(上)と新品。

元々は煙草盆として作られていた形なのでどれも高さがあります。
急須セットを収めたり、調味料入れにしたり、焼菓子を入れたり、書類ケースにしたり…
既にお持ちの方も今回お求めくださった方も皆さまそれぞれの使い方を話してくださって、
聞いていて楽しいです。素材とこの形状を活かしてご愛用頂けたらと思います。

ちなみにDMに写っているmokki バスケットは我が家で使い始めて一年半ほど経ったものです。
毎日の食卓に出すだけでも手の油が入り、日に焼け、いつの間にかいい感じです。

主にオリーブオイルやビネガーのボトルを入れて使っているため、
見込みにはまだまだ汚れやシミに見える、というかそうにしか見えない箇所もありますが、
いずれそれらや傷さえも味わいになってしまうのだろうと思います。


mokki 中(24.5cm×18cm高5.5cm)


見込みにズーム


グラスをのせて。

こちらもとてもシンプルなかたちですが、他の作品と同じく刳り抜きです。
刳り抜きでここまで簡素な形に仕上げていることが狂おしく思えます。

ただ分かりにくいのか、手に取ってご覧になるお客様が少なくて残念な気がしていました。
それを佃さん伝えたら「でもこれ硝子を置くとすごくきれいなんですよ。」と言って、
売り場にあったグラスを置いて見せてくださいました。
居合わせたお客様も納得されてました。


我谷盆 古式 たばこ盆 拭漆(27cm×17cm高7.5cm) ※ご売約御礼


行李蓋盆(25.5cm×21cm高7.3cm)


上から


ななめから

「佃眞吾 展」会期中ですが明日はお休みを頂きます。
お間違えのないようお気を付けくださいませ。

本展は当店でも山陰でも初めての佃さんの個展です。
なので佃さんの作品をまとめてご覧になられたのは初めて、というお客様が多いです。
皆さまあらためて感じ入り、良さを実感されているようでとても嬉しく思います。

店内には常設の品も並び始めましたが、まだ6割以上は佃さんの作品で埋まっています。
会期は17日まで。
この機会に是非ご覧ください。

ご来店もお問い合わせも、心よりお待ちしております。

「佃眞吾 展」より、お盆 その2

月曜日, 9月 10th, 2018


欅 木瓜盤(38cm×32cm高1.5cm)


欅 木瓜盤に前野直史さんの型皿


欅 木瓜盤に古い染付


キハダ 木瓜盆(32.5cm×21.5cm高1.5cm)


日ノ丸盆(径26.5cm高1.5cm ※完売御礼)に安土忠久さんの酒器セット

佃さんは今の暮らしの中で自然に使えるものを、という意識をお持ちです。
骨董がお好きでそれらからヒントを得て作られたものや写しは多数ありますが、
古作のままだと今の人の感覚や現代の生活には合わなそうだと判断すれば
ご自分なりに改良されます。

その塩梅は絶妙で使用感を確かに向上させ、作品の雰囲気は失われません。
そしてもちろん相手を選びますが、古いものでも今の作り手によるものでも、
陶器でも磁器でも硝子でも調和してくれるのは使っていてありがたいです。

折敷や縁の立ち上がりが低いお盆は敷板としてもお薦めいたします。
お気に入りの花器やオブジェの下に敷いてもいい仕事してくれることと存じます。


松 隅切盆 小 拭漆(35.8cm×24cm高2.5cm) ※ご売約御礼


欅 隅切盆 中 木地(41.7cm×29cm高2.5cm)


欅 隅切盆 大 木地(49cm×29cm高2.5cm) ※ご売約御礼

松の隅切盆は灰具セットに合わせて河井寛次郎さんが作られせたお盆の写しです。
こちらは佃さんがオリジナルをお持ちで、それを忠実に再現されました。

オリジナルの写しもやはり風格があり、カッコイイものです。再現力にも脱帽。
ただ灰具用の置き盆なのと、寛次郎さんの作品に合わせて作られたという前提もあるせいか、
今の暮らしの中でふだん使いするのはやや難しいです。

欅の隅切盆2種はそんなお盆をただ単に大型化したわけではないようです。
たくさん載せてもしっかり持てるような縁の形状に無理なく改良されており、
運び盆としての役割をしっかりと果たしてくれます。

既にあった美しいお盆と佃さんの感性から生まれた、新たな作品だと思います。


欅 隅丸盆(33cm×23.2cm高3.2cm) ※ご売約御礼


欅 隅丸盆にズーム。玉杢が特徴的です。

明日も引き続きお盆をご紹介します。
煙草盆やmokkiシリーズなど、縁に高さのある箱っぽい形状のお盆です。

よろしくお願いいたします。