Archive for the ‘個展・企画展’ Category

「仁城逸景 展」から、椀

火曜日, 12月 19th, 2017


振る舞いうどんを作ってくれたフードデザイナーの太田夏来さん。

逸景さんのお椀の使い心地を実感して頂こうと、初日はうどんを振る舞いました。
うどんが美味し過ぎたせいか皆さんお椀への意識がやや薄かったような気がしましたが、
うどんのおいしさに気を取られてお椀への意識が消えるということは、
お客様が心地よくお椀をお使いになられていたことの裏付けに違いありません。

食べた後には空になったお椀をじっくり眺めて「きれい」とか「かっこいい」
なんて感想を言ってくださるし、いい仕事してるなぁと誇らしく思いました。


熱々のうどんが入ってます。

熱が伝わりにくいからアツアツのうどんを入れてもお椀はたいして熱くなりません。
食べながら「そういえばお椀が全然熱くない!」と驚かれるお客様もいらっしゃいました。
この長所をたくさんの方々に実感してもらえたことは非常に良かったです。

そんな逸景さんのお椀、かたちが様々です。
ざっとご紹介いたします。

ちなみにご来店の際は指紋が付くことなど気にせず、
せっかくですから全部手に取って、ペタペタ触ってご自分に合うものをお探しください。


椀1(径11.5cm高6.5cm)、椀2(径12cm高6.5cm)


椀4(径11.5cm高6.5cm)、椀7(径12.5cm高7cm)


椀3(径12cm高8cm)、椀8(径12.5cm高8.5cm)


椀3(径12cm高8cm)、椀8(径12.5cm高8.5cm) ※こちら2点は栗です。


仁城家で長く使われている椀ふたつ。左が栃、右が栗です。

逸景さんの作品の多くは栃で作られていますが、
大き目の椀と鉢・ボウルには栗も使われています。

使い込んでいくと表情にだいぶ差が出てきます。
栃は肌理が細かくおとなしい印象、栗は荒々しくて強めの印象といったところです。
取り混ぜで使い込んでいくのも面白そうです。

鉢とボウルは後ほどまとめてご紹介しますのでご期待ください。


椀6(径15cm高8.5cm)、椀5(径15cm高8.5cm)


こども椀(径10.5cm高6.5cm)、椀3(径12cm高8cm)

よほど手の大きさに合わない、もしくは食生活に合わない、というサイズでなければ
逸景さんの椀は使っていくうちに満足して頂けるだろうという安心感があります。

今回は子供用のお椀もご用意して頂きました。
これまたかわいく仕上がっています。

プレゼントにもどうぞご検討ください。

というわけで会が始まる前からお椀を推しまくってきましたが、
逸景さんの作品はお椀以外にも皿、鉢、蓋物など、いろいろあります。

明日以降もご紹介して参ります。
ご覧頂けますと幸いです。

尚、会期中ですが明日はお休みを頂きます。
お間違えのないようお気を付けくださいませ。

明後日から会期後半となりますが、フルラインナップをご覧いただけます。
ご来店をお待ちしております。

「仁城逸景 展」、作品紹介の前に。

月曜日, 12月 18th, 2017


初日の店内。

DMにも綴りましたが、漆器はお手入れをしっかりやらないといけない、
熱いものを入れてはいけない、水に浸けたままにしてはいけない、などなど…
とにかくデリケートなものだという先入観をお持ちのお客様がとても多いです。

逸景さんは在店中にそういった先入観は自身の作品にはほとんど当てはまらない、
ということをお客様に何度も、丁寧に説明してくれました。

それを聞いたお客様はみなさん俄かには信じられないといった反応をされるのですが、
詳しく話を聞いていくうちに納得し最終的には漆器に対する認識が変わる、
ということが続きました。

冒頭のことについては下記のように説明されていました。

・お手入れをしっかりやらないといけない

 特にやることはありません。
 頻繁に使ってあげるのがいいメンテナンスになります。
 乾燥した場所にしまったままにしていると劣化します。

・熱いものを入れてはいけない

 好ましいことではありませんが、沸騰したお湯を入れても大丈夫です。
 熱が伝わりにくいので、熱いものを入れても安心して持てます。
 (初日に熱々のおうどんを振る舞いました。お椀が熱くないと皆さん感心されました。)

・水に浸けたままにしてはいけない

 お米がこびりついた時は半日ほど水に浸けてから洗うことがあります。
 それでトラブルが起きたことはありません。
 大きな鉢に水を張って花を活けるギャラリーの方もいらっしゃいます。

こちらの先入観はいったい何だったのかと思わされるような回答です。
デリケートどころか、かなりタフで皆さん驚かれます。


クールにうどんを食べていますが熱々です。

私も以前、漆器はきっと扱いが面倒なのだろうと漠然と思っていました。
なぜそう思っていたのかは分かりませんが知らぬまにそう思い込んでいました。
だから漆器は欲しい、使ってみたいと思うまでに時間がかかりましたし、
そう思っても買うまでにまた時間がかかりました。

今では慣れてきたのと逸景さんに丈夫さを聞いたからか、
買って間もない頃に感じていた妙な緊張感はまったくなくなりました。

ただお手入れということになるのかもしれませんが、洗う時はぬるま湯で、
なるべくスポンジを使わずに指の腹でこするよう心掛けています。

仁城家で使い込まれた美しい器たち(現役です)は基本そうやって洗っていると聞き、
自分のお椀もあんな艶と透明感になってくれたらと願って真似しています。


仁城家で20年使い続けられているうつわ3点。塗り直しは一度もしていないそうです。
手前2つは栃、奥は栗。


上の3点の新品。3点とも20年以上前から作り続けられている、という点にも要注目。
上と同じく手前2つは栃、奥は栗。

なんだかんだ漆器もいろいろで、傷みやすい貧弱なものも実際にあるようです。
熱いお湯を入れたら真っ白になってしまった、という経験をされたお客様がいらっしゃいました。

どうやらそんな不誠実なものがたくさん出回った時期があったようです。
あくまで憶測に過ぎませんが、そういうものが 漆器=繊細 というイメージを多くの方に植え付けて
しまったのかもしれません。

長々と失礼いたしました。
何はともあれ、仁城逸景さんの器を見る際、 漆器=繊細 という先入観は誤解に繋がります。
むしろその丈夫さを期待してご覧頂けたらと思います。

というわけで本日は作品の性質について綴らせて頂きました。
作品紹介は明日以降、ブログで続けて参ります。
ご覧頂けますと幸いです。

尚、今回は在庫に余裕のあるものが多いため、通販対応はただ今からお受けいたします。
ブログやインスタグラムに気になったものがある、探している定番のものがあるという方は
CONTACTページ よりどうぞご連絡ください。

よろしくお願いいたします。

「仁城逸景 展」、16日からです。

木曜日, 12月 14th, 2017

まずはじめに、
今年の日本民藝館展では10月に作品展をした瀬戸本業窯の水野雄介くんと、
明後日から個展をしてくれる仁城逸景くんが奨励賞を受賞されました。

年代が近いお二人の受賞は私にも大いに励みになりました。
「お前も頑張れよ」と言われているような気分です。
心より御祝い申し上げます。おめでとうございます。


うどんが伸び始めてて恐れ入ります。16日は店頭で伸びていないうどんを振る舞います。

逸景くんのお椀を使い始めてから2年半ほど経ちました。
漆という素材の特性なのでしょうか、お正月や晴れの日にはそういう雰囲気を演出してくれます。
かといってふだん使いとしても上品になり過ぎず気楽で、毎日のように使っています。

先日お伺いした際、逸景くんは自身の仕事について「漆器と木工の中間です」と話してくれました。
親しみを感じる理由が分かった気がしました。

本展に向けては子供用のお椀と、サラダボウルとして使い良さそうな鉢をお願いしていました。
どちらも逸景くんの仕事の中にサクッと取り込まれ、無理のないさすがの仕上がりです。

どんなシチュエーションでも健気に働くうつわたちが、作品展ならではの品揃えで並びます。
この機会にぜひご覧ください。
ご来店を心よりお待ち申し上げます。


DM

漆器は繊細なものだと思われている方は多いようで、逸景さんの作品について
「丈夫で特別な手入れは必要なく、熱が伝わりにくいから熱いものを入れても
安心して持つことができます。」と説明すると驚かれることが度々あります。

敷居が高いとお感じになられている方も多いのですが、逸景さんの仕事はその
丁寧さとは裏腹に求めやすく、漆器への思い込みをいろいろと覆してくれます。

初日の16日(土)はフードデザイナーの太田夏来さんにご協力頂き、逸景さんの
お椀でうどんを振る舞います。どうか身構えず、この機会に気軽に使ってみて
ください。お椀のかたちや色味・質感の美しさとともに、手に持った時の感じや
漆器の強さもご確認頂けることと存じます。

普段はご紹介できない重箱、大皿といったお正月にふさわしい品々も並びます。
ぜひお出かけください。

・会期 12月16日(土)~12月25日(月) ※20日(水)はお休みします
 仁城逸景さん在店日 16日、17日

「瀬戸本業窯 展」、盛会御礼。

水曜日, 11月 8th, 2017


染付石皿尺一寸柳紋(径35cm高5cm)

「瀬戸本業窯 展」は2週続けて土日に台風が接近するという前代未聞の事態でした。
最初の二日間は次期窯主の雄介さんが在店してくださっていたし、
出品物の質も量も申し分なかっただけに、とても悔やまれるタイミングとなってしまいました。

奥さん曰く、雄介さんはかなりの雨男。
それにしても2週続けて台風は勘弁してほしかったです。
特に二日目の雨風はひどかった…店の横に並ぶ柳も大暴れしていました。

ただそんな中お越しくださったお客様には雄介さんとゆっくりお話して頂くことができました。
私もほほぅと思うようなお話をたくさん聞けて楽しかったです。

第二回も是非に、と言って頂けましたのでそれに向けてしっかり常設での紹介を続けて参ります。
今度はいろいろお願いしてみたいとも思っています。

ご来店、お問い合わせくださったすべてのお客様に御礼申し上げます。
ありがとう御座いました。


常設に戻りましたが引き続き、多めに並べています。

会期は終わりましたが、いいものがいっぱい来たのでたくさん残しました。
しばらくは店頭から瀬戸本業窯のうつわが姿を消すことはなさそうです。

売り場を広めにとっていますが並べられていないモノもけっこうあります。
ブログやインスタグラムで気になったものがありましたらお気軽にお尋ねください。
在庫置き場から出てくるかもしれません。


店内をざっくりと。

夏前からイベントごとが続いてなかなか常設にゆっくり取り組むことができませんでした。
長期休業の際に仕入れたもの、HPEの新着、他の新着もじわじわ並び始めて店内充実しています。

尚、今月は久しぶりに常設だけの月になります。
9月に作品展をしたHPEの品々をブログでゆっくりご紹介していきたいと思っています。
ご期待くださいませ。

12月は仁城逸景さんの作品展です。
お正月にピッタリのもの、気楽に普段づかいにしたくなるもの、いろいろ並ぶかと思います。
そちらもご期待くださいませ。

よろしくお願いいたします。

「瀬戸本業窯 展」から、線彫り

日曜日, 10月 29th, 2017


伊羅保櫛紋皿尺(径29.5cm高5.5cm)


ズーム

今日は線彫りで絵や文様が描かれているお皿を紹介します。
上の伊羅保櫛紋皿尺のように品名に櫛描とあれば、それはすべて櫛で描かれています。

ちなみに伊羅保釉は黄瀬戸のガラス質を薄めた釉薬で、所々ざらつきのある質感になります。
薄くかかったり良く焼けると櫛描の跡が生々しく感じられるほどマットな仕上がりになります。
今展への出品は少なめでしたがこの伊羅保釉もお客様の目を惹いていました。

少し太めの線は釘で描かれています。
櫛彫と釘彫、両方を組み合わせているものも御座います。
すぐ下にご紹介する石皿7寸の柳紋や本記事で一番最後にご紹介する行灯皿の柳紋がそうです。


石皿7寸 柳紋(径21.5cm高3.5cm) ※ご売約御礼


石皿8寸 抽象紋(径24.5cm高4cm)


石皿8寸 蕪紋(径25cm高4.5cm)


石皿9寸 矢車紋(径27.5cm高4.8cm)


石皿9寸 菊紋(径27cm高4.5cm)


ズーム


菊紋鉢(小:径13cm高4.5cm、中:径15cm高5cm、大:径17cm高6cm)


黄瀬戸櫛紋皿7.5寸(ともに径22.5cm高4.8cm) ※右、ご売約御礼


ズーム

続けてご紹介したものは黄瀬戸のものですが、強いもの、穏やかなもの、様々です。
釉の濃さ(ガラス質の厚さ)と線彫りの深さのバランスの違いでけっこう印象が変わってきます。

柳紋の石皿7寸と最後の櫛紋皿7.5寸2点は線彫りが弱めで釉薬も薄く、特に優しい印象です。
8寸9寸の石皿はどれもハッキリとした線彫の調子、過不足なく掛けられた釉薬、抜群の焼き上がり。
隙がないといった感じです。


黄瀬戸櫛文皿7.5寸(飴・青ともに径22.5cm高5cm)


折縁黄瀬戸緑釉波文皿(径27cm高5.5cm)


ズーム


二彩櫛文大鉢(径31cm高6cm)

色が入るとまた雰囲気が変わります。
釉が止まったり流れにリズムを付けるアクセントになっている様もよく、
波紋との相性は抜群です。

しかしなんだかんだ、やはりここでも黄瀬戸そのものの美しさにかなり目が奪われます。
こうした装飾の幅は黄瀬戸という優れた素材が大いに許しているように感じました。


緑釉柳文行灯大皿(径31.8cm高3.5cm)

さて「瀬戸本業窯 展」、明日が最終日となりました。
今展のブログの更新は今回で最後となります。

数・種類ともたくさん送ってくださったのでこちらも負けてたまるかと、
むきになって二日目から毎日更新しました。
連日お付き合いくださった方がいらっしゃいましたら心から感謝申し上げます。

お問い合わせがここ数日で増え始めました。
ありがとう御座います。

まだ間に合います。
お悩みのものが御座いましたら CONTACTページ よりどうぞご連絡ください。

よろしくお願いいたします。