Archive for the ‘個展・企画展’ Category

「佃眞吾 展」、終了しました。

日曜日, 9月 23rd, 2018

佃眞吾さんの作品展が先日無事に終了いたしました。
雨が多い会期でしたが、遠くから近くからたくさんのお客様がお越しくださり賑やかでした。
心より御礼申し上げます。
ありがとう御座いました。

今回は山陰で初めての作品展ということでお客様にいろいろ見てもらえるように、
小物から家具まで幅広い作品をご用意くださいました。
佃さんの技術力とセンスをしっかりお感じ頂けたことと思います。


売り場はこれだけになりましたが、粒ぞろいです。

「他の作家さんの似た形のものを見たことあるような気がするけど、この人のは何か違うなぁ…」
とつぶやくように仰ったお客様がいらっしゃいました。
私も佃さんの作品を見始めてまだ間もない頃、同じようなことを思っていました。

作品を扱わせて頂くようになり、工房へ伺って何度かお話させて頂いて、
独立前に家具作り、刳り物、指物、どれもしっかり学ばれた木工のマルチプレイヤーであること、
美術工芸全般がお好きでよく物事をご存知なことに驚きました。
今でもモノを見たり買ったりすることがお好きなようで、探求心は絶えません。

作り手としての総合力。
それが違いとなって現れているのかもしれないと、作品を扱いながら考えるようになりました。

そんな佃さんをこれからもしっかり追いかけていきたいと思います。
次の作品展には何か働きかけてみたいという気持ちも出てきました。
ご期待頂けましたら幸いです。

本展へのお問い合わせも多数頂戴いたしました。
誠にありがとう御座います。
長期休業が迫っているため明後日までの受付となります。
どうぞよろしくお願いいたします。

「佃眞吾 展」より、いろいろ

月曜日, 9月 17th, 2018


欅 茶托 拭漆 小2種(ともに11.5cmっ×11.5cm高1.5cm) ※隅切、完売御礼


栗 茶托 中(12cm×12cm高1.5cm)、栗 茶托 大(13cm×13cm高1.5cm) ※大、完売御礼


4枚を重ねて

拭漆の茶托はこれまでにもブログやSNSで何度かご紹介してきました。
和菓子をのせるお皿にしてもとても使い良く、ご好評いただいております。

今回は栗材で無塗装のものも並びました。
こちらは和菓子にも洋菓子にも、何なら駄菓子に使っても応えてくれそうです。
新品ですがすこし色味がくすんでいていい感じです。

拭漆と塗りなしの栗材はサイズがすこし違っています。
数字で見ても重ねて見てもほんのわずかな違いに思えますが、
実物を見ると使用感にはけっこう影響してきそうな違いに感じます。

しっかりご検討ください。


mokki Ⅱ 小(23cm×18.5cm高2.5cm)


mokki Ⅱ 中(36cm×18.5cm高2.5cm)


mokki Ⅱ 大(30cm×24cm高2.5cm)


このカーブや肉付きも丁寧な削りです。

北欧の学校で使われていた器をヒントにできたデザインだと聞きました。
そういえばどことなく日本ぽくない形です。

こういうシンプルなものほど技術と精度に驚きますが、
そのシンプルさゆえに見た目のインパクトがなくてお客様には理解されにくかったように思います。

ただ私共のプレゼンの弱さにも関わらずお求め頂いたお客様がいらっしゃいました。
使ってみたらディティールにこだわりが感じられて感激した、とお伝え頂けたのは嬉しかったです。
我が家でもそう思って日々使っています。本当に。


栗 盛器(59.5cm×24cm高4.5cm)


ななめから

このサーフボードのような大きな盛器、持ってみると案外軽くてびっくりしました。
お料理がたくさん載ることになるでしょうから持ち運びを考えるとちょうど良さそうです。
こんな器にどっさり盛り付けた料理が出てきたら愉しいだろうなぁと思います。

そしてこんなものを作るのも、愉しかったんじゃないかなと思います。
今度佃さんに聞いてみようと思います。


ズーム

「佃眞吾 展」、いよいよ明日で最終日です。
今日は先日ブログでご紹介したお厨子を見て気になったというお客様が、
買えないだろうけど一目見てみたくて来ました、と言って来てくださいました。
ありがとう御座いました。

本展は山陰で初めての佃さんの作品展です。
ご購入に至らなくても、まずはそういう経験をして頂ければ私共としては嬉しく思います。
明日もお待ちしております。

お問い合わせのお客様へのご案内は明日の営業終了後から順次開始いたします。
私は買うものを決めました。
お気持ちがお決まりのものが御座いましたらどうぞご連絡ください。

よろしくお願いいたします。

「佃眞吾 展」より、棚・机・厨子

土曜日, 9月 15th, 2018


棚 (43cm×28cm高85cm)


いろいろ置いてみました。

家具職人、指物師の元でもしっかり腕を磨かれたことはこれらの作品から分かります。
塊から形を出す刳り抜きとはまったく違う、パーツを組み合わせていく仕事。
狂いは許されませんがどれも気持ちいいほどピタッと収まり、全体の均衡が保たれています。

棚は最初に見た時、華奢な印象を持ちました。
ただいくつか物を置いてすぐに、あ、これでいいんだと思わされ、
一日眺めていたら、あ、これだからいいんだ、と思わされました。
小品がこんなにきれいに置けるなんて、嬉しいですね。

線の細い家具ならではの利点、美しさは新鮮でした。
こういうものは今までスルーしがちだったような気がします。
想像力も働かせて、もっとちゃんと見なければと反省した次第です。


文机 (85cm×32.5cm高25cm) ※ご売約御礼


天板にズーム



文机には神代欅といって長い間埋もれていた古木が使われています。
化石になりかけた木、と佃さんはお客様にご説明されていました。
かっこいい。

実は今回、神代欅の木瓜盤と円卓もありましたがどちらも早々に行き先が決まり、
画像には収められませんでした。
誠に恐れ入ります。

独特な脚のかたち、わずかに立ち上がった縁、色味、質感、香り…
お決めになられたお客様もすべてにぞっこんでした。


厨子 (13.5cm×13.5高24.8cm)


中はこのようになっています

仏壇は置きたくないけどこういうお厨子なら、と思われている方は多いのではないでしょうか。
弔う側も、向こうに逝った御方も、大そうな箱を住まいに置くより簡素なものを、という思考と、
こういったものへの嗜好をお持ちなら尚のことお薦めいたします。

住宅事情が変わってきて仏間はなくなりつつあるようです。
ただ亡き人のことを想ったり、繋がりを保つという心が消えていってしまうのは悲しいです。
こういう形でも残っていけばいいなぁと思います。


本日、閉店直前の店内。

会期はあと2日となりました。
最初の3日を終えて売り場をグッと縮小しましたが、それ以降は変わっていません。

どれも少しずつ売れていくので全体的に品薄ではあるのですが、
不思議なもので1点は残ってくれているので品切れにはならず、まだ店頭に並べられています。

明日、明後日のどちらかで、とお考えのお客様もご来店を楽しみにして頂ければと思います。
お問い合わせをお考えのお客様も諦めずに是非。

「佃眞吾 展」より、茶入れ

金曜日, 9月 14th, 2018


蔦 金輪寺(径7.7cm高8.5cm)


ズーム


内側

金輪寺はお茶やお茶道具に詳しくない人には馴染みのない呼び名だと思います。
恥ずかしながら私も疎い人間ですのでざっと調べた情報で恐れ入りますが…
元々は小型の経筒として使われていたものでそれが茶入れに転用されるようになった、
というのが有力な説のようです。

材は大きく育った蔦です。
最初に蔦だと聞いた時はすぐに信じられませんでした。
あの蔦です。どれだけ大きく育ったものか、想像するとゾクッとします。

そんな材が使われているせいか、簡素なかたちの小品ながら佇まいには強さを感じます。
時間が経って漆の透明度が今より増してきたら存在感も増してくるに違いありません。

ちなみに蔦の金輪寺は黒田辰秋さんも古作に憧れ、たくさん制作されたそうです。
佃さんの金輪寺からも古作や黒田作品への敬意を感じます。


根来手薬器 菊花(径9.3cm高7cm)


内側


根来手薬器(径7.7cm高8.5cm) ※ご売約御礼


内側

薬器も茶道具として親しまれていますが、その字のとおり薬を保存する器でした。
今回は根来手のものを2点ご用意くださいました。

作りの細かさ、確かさ、そして色味や質感、作品全体が醸し出す空気感…
隅々まで行き届いているなぁと感じます。

すでに骨董品のような味わいを帯びていますが使い込まれて出るような艶はなく、
人が何度も触って完成される美しさがこれらにはまだ秘められているように思います。
骨董の新品といったところでしょうか。


蓋にズーム

早いもので「佃眞吾 展」も残すところあと3日となりました。
こうしてまとめて作品を並べてみて、新たな発見や気付きがたくさんあります。
無事に開催できたことをあらためて嬉しく思う次第です。

これまでの常設では多くても棚一つ分並べるのが精一杯でした。
初日に比べれば当然減りましたが、まだまだたくさん並んでいます。
この機会にぜひご覧ください。

お問い合わせも数件頂いております。
誠にありがとう御座います。

目に留まるもの、気になることが御座いましたらお気軽にCONTACTページよりご連絡ください。
よろしくお願いいたします。

「佃眞吾 展」より、箱

木曜日, 9月 13th, 2018

・刳り抜き

先日ご紹介したお盆は刳り抜きの仕事としてご理解頂きやすいかと思いますが、
これらも同じ木の塊から削り出したものです。
蓋と胴体で杢目がピッタリ合っているのがその証拠です。


欅 合子 コブ杢(11.8cm×11.6cm高8.2cm) ※ご売約御礼


内側


側面にズーム


栃 小箱(16.3cm×9cm高8cm)


外側と内側


蓋の上面、本体の裏面


サイン


栗 三段重(26.3cm×20.3cm高16.5cm)

欅の合子はコブ杢。木のコブを削ってできています。
全体的にゴツゴツしていますが、ズームした部分のように急に静かな箇所があったり、
クセのある感じがたまりません。

栃の小箱も元々は木の中にあった立方体で、それがごそっと箱になって出てきたかのようです。
断面が変わると木目の雰囲気がまったく違うのも見どころになっています。

どちらも決して大きなものではありませんが存在感があります。
何かに使うにも、ちょっとした空間に置くだけでもいい仕事してくれると思います。

ちなみに作品には吾の字が彫られたり、書かれたり、いろいろなサインがあります。

・指物


欅 八角合子(9.5cm×9.5cm高9.7cm)


内側


欅 八角盒子 その2(10.8cm×10.8cm高9.8cm)


縁にズーム。面取のようですが、一枚ずつ貼り合わせてあります。


桂杢重飾箱(18cm×7.6cm高14.6cm)


これも貼り合わせ。


箱の裏側にも緻密な仕事。

佃さんの作品には刳り抜きのような素材や手の力を感じる強い仕事もあれば、
こういう細やかで狂いの許されない仕事、人の知恵と技術を感じるものもあります。
木工作家としての実力を感じます。

どれもさり気ないカーブや肉付き、縁の処理、そういったところにも目が行き届いていて、
作品には職人的な厳しさと作家的な厳しさ、両方が存在します。
ご来店の際は遠慮せずに手に取ってご確認ください。

明日は茶入れによさそうな小物をご紹介します。
これまた細やかながら強くて美しく、存在感のある品々です。

どうぞご期待ください。