先日もお伝えしたとおり、3月31日から4月8日に当店で初となる展示会を開催いたします。
岩井窯・山本教行さんをご存知の方は多いと思いますが、当店なりにご紹介いたします。
山本さんは1966年にバーナード・リーチに会い陶芸の道を志し、出西窯での修業を経て
現在の地に窯を構え作陶されています。昨年開窯40周年を迎えられましたが「あと20年」、
「まだまだやってみたいことが沢山ある。」と仰います。まだまだ貪欲でいらっしゃいます。
岩井窯の敷地には参考館があり、そこには山本さんが作陶の参考にすべく集めた古物や
先人の作品が並んでいるのですが、個人の蒐集とはいっても民藝館と同等かそれ以上と
思えるほどの質と量です。若い頃から貪欲でいらっしゃいます。

奥が参考館(館内は撮影禁止のため外観のみ)。岩井窯へ行かれる方は必見です。
昨年ご来店の際は気になった品を手にとっては「これはどんな人が作っているの?」
「この色はなかなか出せないんだよ。凄いなー。」と、現在の作り手やモノに対しても
興味津々で実に楽しそうでした。
立場上「先生」と呼ばれることも多い山本さんですが、古いものや今の作り手の品からも
常に何か吸収しようとする意欲・姿勢は若い作り手から感じられるそれと変わりありません。
少しでも良いものが作りたい、まだ道半ばといった意識をお持ちなのだろうと感じます。

山本教行さん
以前に台風による水害で工房が壊され、蒐集していたモノも流されてしまったという想像に
苦しい経験がおありです。その時のことをお話ししてくれたときに「近くにこんなおっきな
スリップウェアの皿があるかもしれないよー」なんて笑って仰る姿が印象的でした。
当店でお付き合いのある若い作り手と話をしていると、自然と山本さんの話題になることが
あります。きっと若いころから貪欲でパワフル(今でも)な山本さんに何か感じるものがある
のだろうと思わずにはいられません。

塩釉フリーカップ

9寸皿

ミルクピッチャー
※山本さんの作品画像、こちらの記事にもあります。
「モノを買うってことはそのモノと一緒に過ごす時間が始まるってことだから。」とは一昨年
はじめて伺った際に聞いた山本さんの言葉です。
参考館や岩井窯展示スペースにいると、一作陶者としてはもちろん一生活者として丁寧な
生活をするために山本さんが丁寧に選んだモノに囲まれている、といった感じを受けます。
またそれらから学び、柔軟に取り入れ、作品に落とし込んでこられたことも感じます。
そんな山本さんの作品もまた、手にした人に色々なことを感じさせてくれることと思います。

使われている什器も見逃せないのです。

初めてお会いした時はここでお話ししました。後ろにいるのは愛犬ハナ。
店は始まって1年足らず、展示会も初めてなので常に恐縮気味ですが、初対面の日に
「君はまだ若いんだからどんどん、色々なことやってみなよ。」と言ってくださったことや
今までにお話しを重ねてきた中で感じたことを会に反映すべく、準備しています。
来月半ばにもう一度訪ねて最終打ち合わせ、展示の内容はその後に詳しくお伝えいたします。
というわけで山本さんのご紹介と薄っすら展示会の宣伝をさせて頂きました。ご期待ください。
岩井窯のホームページも是非ご覧ください。